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体重によって時間の感じ方は違う?

東京工業大学生命理工学部 本川達雄氏の話

「時間は体重の1/4乗に比例する」

例えばゾウの場合心臓が1回ドキンというのに約3秒かかります
それに対してハツカネズミは約0.1秒
ゾウの30倍の速度で心臓が動いている計算になります
ちなみに人間の場合は約1秒ですが、激しい運動などを行えばその分心臓は早く動きます

このように心臓が1回ドキンと打つ時間のことを「心周期」と呼ぶのですが
この心周期の違いがどういった違いを生み出すのかというと
動作の素早さの違いに繋がってくるのです
みなさんが思い描くゾウの動きは大抵のっしのっしと歩く緩やかな動きですが、
ネズミの動きの場合、チョロチョロと素早い動きを思い描く場合が多いでしょう
このように心周期が違うと「呼吸するのにかかる時間」や「物を食べてからそれらが排泄されるまでにかかる時間」など様々な時間が変化します
ですので体のサイズの大きい動物ほど心周期も呼吸も筋肉の動きなんかもゆっくりになっていき、
反対に体のサイズの小さい動物ほど呼吸や動きが素早くなっていくのです

で、このような素早さの違いは時間にも現れてきます
最初に述べた通り時間が体重の4分の1乗に比例するということは、
体重が2倍になると時間が1.2倍長くゆっくりになります
体重が10倍になると時間は1.8倍になります
ですので30gのハツカネズミと3tのゾウでは体重が10万倍違い、時間は18倍も違う計算になります
よってゾウはネズミに比べ時間が18倍ゆっくりだということになります
同じ1時間でもゾウとネズミで感じ方が違うんですね
これは人間にも当てはまることで体の大きな大人は時間をゆっくりと感じることが出来ますが、
子供は体が小さく心周期も早いため時間を早く感じるといったことがあるようです

ちなみに心臓が一生のうちどれだけ動くか知っていますか?
実はゾウもネズミも人間も一生の内に動く心臓の鼓動は約20億と言われています
ですので心周期の早いネズミの場合寿命は2~3年
心周期の遅いゾウの場合は70年
というように寿命が決まってくるわけです
では、人間の場合はどうかというと寿命が26歳前後になります
日本の平均寿命が83歳なのを考えるとかなり少ない数字ですね
(世界の平均寿命は68歳)
ですが考えると戦前は人生50年と言われてましたし、
人間がここまで寿命を延ばせたのは食料の安定や医学の進歩のおかげなのかもしれません

まとめ 体の大きい動物ほど寿命は長く、時間の感じ方もゆっくりになる

時間というものは生きていく上で限りある資源です
だからこそ、時間の使い方を改めてよく考え、有意義に使いたいものですね

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

  • 作者: 本川 達雄
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1992/08
  • メディア: 新書



タグ:時間
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